Type-C出現でますます複雑になったUSB知識の整理(データ転送速度と充電仕様)


データも電流も流せるUSBですが

ハードディスクレコーダーに外付けHDDを繋ぐときはデータ転送速度が、

スマホやモバイルバッテリーを充電で使うときは供給可能電流が、

機器を接続する時はケーブルの形状が気になります。

我が家の古いハードディスクレコーダーはUSBは2.0なので転送速度が遅く
外付けHDDへの同時録画は1番組でした
新しいレコーダーはUSB3.xなので外付けHDDへも複数番組を同時録画できます。


USB3.1では新しいコネクタ規格USB Type-Cが制定され
最近は電力供給のUSB PD(USB Power Delivery)が普及して
ますます複雑になったUSBワールドですが、


しばらくは新旧仕様のUSB機器の混在時代が続くと思うので
利用に困らない範囲でUSB知識を転送速度、電力供給、コネクタ形状に注目して整理しました。


ざっくりUSBバージョンの歴史 速度と電力と端子形状

USBバージョン (仕様発行年) 転送速度 USB規格の電力供給
USB2.0 (2000年) 480Mbps 500mA (2.5W)
USB3.0 (2008年) 5Gbps 900mA (4.5W)
USB3.1 (2013年) 10Gbps
USB3.2 (2017年) 20Gbps
USB4 (2021年?) 40Gbps?

※USB PDを使用すると、最大100W (20V 5A) まで供給することが可能です。
USB PDはUSB Type-Cのみで利用することができます。

旧規格名から新規格名に変わったり(例 USB 3.1 Gen 2がUSB 3.2 Gen 2)
マーケティング名がついたり(例 SuperSpeed USB 10Gbps)
ロゴマークもコネクタの横にあるもの、製品パッケージ印刷用など複雑すぎです。


図:ロゴのいろいろ 出典→ USB-IF Logo License Logo Usage Guidelines


とても複雑なUSB規格ですが
数値が上がればより速く、USB3.Xプラグが青い程度に理解しましょう。


端子と最大電流での比較


USB2.0の規格では供給できる電力は2.5W (5V/0.5A)です。

これではスマホの充電に一晩かかるため、各メーカー独自の急速充電規格が生まれました
例 Apple製品に付属する1A~2.4AのUSB充電器は
Apple独自の高速充電規格で実現しています。


USBの形状  図出典 → USBケーブルの種類と転送速度 SANWA SUPPLY


USBの「ホスト」と「デバイス」

USBは、PCのような「ホスト」と周辺機器である「デバイス」を接続する。

制御はホストが行い、デバイスはホストの制御によって受動的に動作する。

USBでは、ホスト側がデバイス側に電力を供給できる。
このため、間違って接続しないように、ホスト側とデバイス側でコネクターの形状を変えている。
一般的なルールとしてホスト側につなぐコネクターを「A」
デバイス側につなぐコネクターを「B」と呼ぶ。


Type-Cコネクタはホスト側もデバイス側も同じType-Cコネクタで
上下左右対称なデザインを採用。
両端がUSB Type-CのC to Cケーブルには60W (20V 3A) までしか流せないケーブルと、
100W (20V 5A) まで流せるケーブルの2種類があります。



よく使うデバイス側コネクタは3種類、区別できるようにしましょう。

  • Apple独自規格のUSBのBコネクタであるLightningコネクタ

  • Andoroidや小さい機器で多いUSBマイクロコネクタ
  • 最近はやりの共通規格のType-Cコネクタ


種類が多くよく分からない、スマホのUSB「急速充電」規格

スマホ向けの独自急速充電規格は非常に種類が多く複雑です。
日本で普及率が高いのは
  • USBの規格
  • Appleの規格 
  • Qualcommの規格 Quick Charge

急速充電規格のまとめ
表引用
→ HANPEN-BLOGさんのUSB記事から引用させていただきました。


高速充電には以下が必要です。
  • アンペア数の大きい充電器/モバイルバッテリー
  • 適切なケーブル
    (適正電流 正しい結線等 D+ D-をチェックするため)
  • 高速充電をサポートするスマホなどのデバイス


保有する機器が多く高速充電器に何を使っていいかよくわからない場合は
AnkerだとPowerIQ , AUKEYだとAiPowerなどの
「接続された機器に応じて最適な充電を実現」を謳う
1ポート24WのACアダプタやバッテリーを使いましょう。
 
例えばAppleであればPD以外では最速のApple 2.4A規格で充電できます。


覚えてますかその他のUSBの特徴的な機能

プラグアンドプレイ
USBデバイスを繋げれば自動的に認識され
ドライバがインストールされる仕組み。
一度インストールすれば、その後はドライバは要求されません。
OS標準ドライバで動作する場合はドライバのインストール作業は不要。


ホットプラグ
コンピューターや周辺機器の電源を入れたままUSBを抜き差しできる機能。


最大127台のUSBデバイス接続
USBハブを使用してツリー状接続ができ、
最大127台のUSBデバイス(USBハブを含む)が接続できます。
USBデバイスは同時使用が可能です。


USBデバイスへ電源供給
USB2.0コネクタは4ピンで、その内の2本がデータ転送用の信号線、残りの2本はUSBデバイスへの電源供給用です。供給可能な電源は5V,最大500mAです。


セルフパワーとバスパワー
周辺機器あるいはUSBハブ自体が、専用のACアダプタを通して電源供給を受ける場合をセルフパワー。(接続例 消費電力500mA以下の外付けハードディスク等)

パソコン側のUSBポートから電源供給を受けることで、接続機器が動作する場合をバスパワー。(接続例 消費電力100mA以下のマウスやUSBメモリ)



高速充電のApple独自規格や
USB Type-CとUSB-PD(PowerDelivery)等については
論点が細かくなるので別記事にします。

USB周辺機器といえばプリンタやUSBメモリ程度だった時代がうそのようです。

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